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血を吸う人形・幽霊屋敷の恐怖 [吸血鬼]

●・血を吸う人形・幽霊屋敷の恐怖1970年東宝

監督 山本迪夫  脚本 小川英 長野

出演

松尾嘉代 中尾淋 中村敦夫
南風洋子 小林夕岐子 高品格 宇佐美淳也

★・ストーリー

 佐川(中村敦夫)は海外勤務から帰国して、婚約者・夕子
(小林夕岐子)に逢う為に、自宅の不気味な洋館を訪れるのだが、
土砂崩れの事故で婚約者は死んでいた。
 しかし実際には、死を逃れるため医師(宇佐美淳也)の催眠術に
よって生き続ける事に成功していた。だが、その代償として、
催眠術が解けるまで死ぬ事が出来ない上に、夜な夜な血を求めて
彷徨う殺人鬼になってしまっていた。

 何も知らない佐川は夕子に殺されるが、行方不明となった兄を探す
妹(松尾嘉代)と恋人(中尾淋)が、洋館に住む母親(南風洋子)と
下男(高品格)の態度に不信を抱き、探索の結果、親子と周辺人物の
忌まわしい過去の秘密を暴いたが―――――
★・レビュー

 今や伝説的ともいえる和製吸血鬼映画
「血を吸うシリーズ3部作」の第1作である。

 この吸血鬼シリーズを観たのは、はるか昔、
池袋文芸坐の売り物だった
土曜オールナイト5本立てでの「吸血鬼映画特集」
だったが、この作品が一番怖かった。

 小林夕岐子の顔面蒼白の異様な美しさと不気味さが、しっかりと
焼き付いてしまっていて、この題名を見ただけで、機械的な動作で刃物を
振り回して突進してくる姿を真っ先に連想してしまうのだ。

 身体は生命活動を停止しても、生への執念は生き続けるという
事だと思う。それを催眠術で可能にしたという設定になっている。
「死にたくない」という強い念と「娘を助けたい」という母親の願望
が重なり、一連の事件で決定的な役割を果たす医師の存在のウエイトが大きい。
生命の倫理に反する行為が実を結んだのだが、皮肉な事に、
「生きている」のではなく、正常な人間ではない忌まわしい存在として、
催眠術で「生かされている」状態になってしまう。

倫理に反する行為を行えば、忌まわしい代償があるのだという事か。
しかも、過去に起こった惨殺事件とも連動させている事で、その隠された
過去が暴かれるに連れて、ただの恐怖話ではなく悲劇的な運命に取りつかれた
一家の可哀そうな物語となっている。

点数80点




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