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ガメラ3 イリス 邪神覚醒 [怪獣]

ガメラ1999 イリス 邪神覚醒(1999年)

監督 金子修介 脚本 金子修介 伊藤和彦
特撮 樋口真嗣 音楽 大谷幸

出演 中山忍 山咲千里  前田愛  藤谷文子 根岸帰依 小山優 安藤希
    手塚とおる 本田博太郎 三田村邦彦  螢雪次郎 草野仁 石橋保
    川津裕介 小沢遼子 松永二三男 徳間康快 

主題歌「もういちど教えてほしい」ユリアーナ・シャノー


◆・ストーリー

 赤道直下のアフリカでギャオスが発生し長峰(中山忍)は現地で調査に当たるが、
やがて世界的規模でギャオスの大量発生が報告される。
 同じころ、海洋調査中、沖ノ鳥島の深海で「ガメラの墓場」が発見される。
ガメラとギャオスの戦いに巻き込まれて両親(三田村邦彦・かとうかずこ)を殺された
少女・比良坂綾菜(前田愛)は、親戚の居る奈良県・南明日香村で生活していたが、
お蔵に封印した石を動かし、誕生した生物をイリスと名付けて飼育するようになる。
それはギャオスの変異体だった。やがて綾菜は巨大化したイリスと融合してしまう。
 ガメラはイリスとの戦いで負傷するが、マナの消費の中心となった日本に向けて
世界中から集まって来るギャオスの大群との血戦に立ち向かう。

◆・レビュー

 平成ガメラ3部作の集大成としてとらえたい。
新しい怪獣を登場させるのではなく、ギャオス、つまりガメラと人類の天敵、それも日本
古来の伝承と怨念を持ち、ガメラを憎む少女と精神融合した変異体のギャオスを登場
させる事で、このシリーズ全体の起承転結となり、ガメラ・ギャオス・人間との相関関係
の解説がされている内容となっている。
 第3作のオープニングは赤道直下のアフリカが舞台となる。第1作のラストの言葉の
不安が現実になってしまった。「ギャオスが渡りを行い世界各地で卵を産んでいたのだ」
その一方でガメラに成りきれなかったガメラの屍が大量に発見される。
最終戦争の幕開けにふさわしいシチュエーションである。

 この第3作はオカルト的な要素が入った分だけ、観念的、神秘的なイメージが強くなり
すぎてしまった感があるが、そのような扱いをすることで、怪獣娯楽映画の枠を超えた、
哲学的なテーマを追求するような内容にまで作品の質を高めたと感じる。

なぜガメラは誕生したのか?
なんのために存在するのか?
ガメラと人間の関係とは?
といった疑問への答えが導きだされている。その結果、ガメラは神聖化への道を歩む。

 渋谷の上空で人を無視してギャオスと闘い、1万5千~2万人の死傷者を出したという
設定になっているが、その中には家族連れや幼い少年、少女も居るはずだ。
それならば、一人の子供を守るというシーンの挿入は、無理があるどころか、滑稽な偽善
そのものであり、全く無駄な描写で狂ったシーンといえよう。
ホームレスだけでなく、子供と母親もまた容赦なく肉片や瓦礫の下敷きとなるか、ガメラに
踏み潰されるべきだった。それによって綾菜がガメラに逆恨みするバカ少女という見方より
、彼女が持ち続けているガメラへの憎しみの感情への理解や共感も可能となると思うが
どうだろう。もし将来、ガメラの新作が製作される際は、このような開いた口が塞がらない程
の滑稽なシーンの挿入は辞めるべきである。
 
 この物語は「ギャオスの大群との血戦」を前に終了する。
ガメラと人間による、ギャオスとの死闘の結末は未完のままである。どちらが勝ったのかは
誰にも判らないが、地球の守護神であるガメラが敗れた場合、それは地球の死を意味する
のであろう。ラストシーンが、ハッピーエンドを匂わすよりも、燃え盛る炎に包まれた京都の街
を満身創痍で悲壮感を漂わせて歩くガメラの姿で終わるのが印象的である。
ギャオスに対する勝利への展望も、明るい未来への希望も全く見られないのだ。
それはガメラだけでなく、人類と地球の行く先の姿かもしれない。「もう一人ではない」それは、
ガメラと人間が一緒に戦うというだけでなく、人類、特に日本人は個人のエゴで便利さや
物質的な欲望を追求するのではなく、地球環境を守り、より自然に合わせた生き方をするべき
ではないかという意味も含まれているように感じる。
 ガメラは一匹の怪獣ではなく地球の守護神なのだ。だからこそ、勧善懲悪のハッピーエンド
ではなく、絶望的なまでの前途多難を予感させる終わり方になったと解釈する。そういう視点で
見れば、非常に後味の良い終わり方である。

 ハチ公前~センター街~109~スペイン坂と、見事に修羅場と化す光景は圧巻である。
大人達が締め出され、無軌道な若者達が闊歩する不愉快な街に変わり果ててしまった
金曜日の渋谷の繁華街が地獄絵図となるのだから喝采を叫びたい。

日本の支配階級に属し、日本人⇒人類の行く末を勝手に決めて、ギャオスを使って人類を
絶滅させようと目論む傲慢な2人のキチガイ、朝倉美郷(山咲千里)倉田信也(手塚とおる)
の言動と行動には不快感でヘドが出る。パラノイアに権力や地位を持たせてはいけない
典型的な見本例である。終末論妄想のキチガイは人民大衆を巻き添えにしないで自分だけ
で勝手に死ねば良いのだ。

 なお、どうしても触れておかなければいけない点がある。
津川雅彦が司令官を演じる、『航空総隊・作戦指揮所』のシーンも出色の出来なのだ。
各担当者が、近年の他の怪獣映画で見られるような、ハイテンションで、パニックになった
ような口調と態度でヒステリックに怒鳴るのではなく、変化する戦闘状況に応じて、正しい
手順に基づき冷静に落ち着いて報告し、上官が即断して指示を出す様子が描かれている。
【軍の作戦指揮所は冷静でなければならない】
軍隊内(空自)の専門用語が次々と出てくるのが嬉しい。このシーンだけでも、ゴジラシリーズ
よりも、ますます平成ガメラシリーズの優越性を感じてしまうのだ。
一つ苦言を呈すれば、イリスと山中で戦う陸自の1個小隊、
「戦闘の時に、あんな密集隊形を組むんじゃない!手榴弾1発でやられるぞ」

 キャンプ場でイリスに襲われる女性の役で、まだ新人だった仲間由紀惠が出ているが
初々しく爽やかな感じがする。

★・点数100点
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